第35回歴史街道歩こう会が5月25日、コロナ禍の中断を経て3年半ぶりに開催されました。

舞台は「初夏の八日市」。多くの同窓生が通学に利用した近江鉄道に乗る。この日のための貸し切り電車の旅です。

同窓生151人が参加しました。上は90を超える彦根中3回生の大先輩3人。下は東23回生。下といっても60代後半です。4割を80代が占め、3割強が女性。中には新幹線と在来線を乗り継いで愛知県から馳せ参じた女性も。

参加者はJR近江八幡駅南口に集合。A~Hまで8班に分かれ、近江鉄道近江八幡駅から貸し切り電車(2両編成)に乗り込み、午前10時17分出発。電車の旅を少しでも長く楽しんでもらおうと、通常の速度より若干スロー運転の粋な計らい。八日市ボランティアガイドの福永忠昭さん(東14回)が車内放送のマイクを握り、沿線の名所などを案内しました。

八日市駅に到着すると、このあと歩くコースを引率・案内してくれるボランティアガイド15人が合流。そして昼食会場の旧八日市商工会議所ビル4階ホールへ。ここは、藍野大学びわこリハビリテーション専門職大学の八日市キャンパスとして来春開講する予定で、現在外装工事の足場が組まれています。大学のご厚意で無償でお借りすることができました。

まずは歩きに出る前の腹ごしらえです。それをすませたころ、東近江市観光協会会長で喜多酒造社長の喜多良道さん(東20回)が、参加者の前に立って歓迎の挨拶をし、地元観光スポットなどを紹介しました。続いて、公務の合間に駆けつけた小椋正清市長(東18回)が鈴鹿から琵琶湖まで広がる市の特徴や現在進める文化施策などを熱っぽく語り、参加者は真剣に聴き入っていました。

 

正午すぎ、いよいよ歩きのスタートです。A~D、E~Hの4班ずつ2コースに分かれ、それぞれ逆回りに歩きます。昭和レトロな商店が残る一方で、ジーンズ工房の全国的な人気により“デニムの聖地”の名で脚光を浴びる本町通り商店街(御代参街道)。江州音頭ゆかりの人物の墓や碑がある金念寺。世界の凧の博物館で知られる東近江大凧会館。陸軍八日市飛行場の将校や特攻隊員訓練生の寄宿舎だった「八紘荘」跡の建物。

「志賀盛」「龍門」などが代表銘柄の近江酒造では、試飲コーナーに列ができ、社員が昔懐かしいポン菓子製造の実演をして一行を楽しませてくれました。

 

午後2時半すぎから3時前にかけて、各班とも元気な足取りで八日市駅に到着です。

再び貸し切り電車に乗り込んで3時27分、彦根に向けて出発。

途中、尼子駅で12分間停車。多くがホームに降り立って周辺の風景を眺めていましたが、「この駅から彦根まで通っていた。当時電車は満員になるくらい乗客が多かった」と女性が懐かしんでいました。

貸し切り電車は午後4時7分、彦根駅に到着。同窓生の旅の終点です。

参加者は疲れた表情を見せず、家路に着いたり、学年ごとの同期会へと流れていきました。

 

コロナ感染拡大で3年以上実施できなかった伝統行事・歩こう会。

復活歩こう会の実行世話人は東18回が担当しました。

通学に利用した人にとっては思い出深い近江鉄道の貸し切り電車に乗る旅を企画し、半年前から準備を進めてきました。今年初めのころはまだコロナ収束の見通しも立たず、大人数の会食ができないなど、昼食会場や歩くコースの選定は困難を極めました。

そうしたなか、東近江市観光物産課、市観光協会、市観光ボランティアガイド協会、八日市商工会議所、近江鉄道、びわこリハビリテーション専門職大学、等々、多大なご支援ご協力をいただきました。改めて感謝申し上げます。

さらに当日、東18回は27人もの同級生が世話人に加わってくれました。

各班2~3人がリーダーとして皆さんに同行し、体調を崩すひとがいないか、事故がないか、見守っていました。途中気分が悪くなり最寄りのJR駅までタクシーで帰宅してもらったひとには、夕方自宅に電話をし、すっかり回復されたことを確認しています。

コロナ禍を乗り越え、歩こう会成功に結集してくれた同期生27人に心より感謝の言葉をささげたいと思います。「みんな、ありがとう!」

 

世話人代表(東18回)    川瀬   辰男